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梶海渡遺跡 1985年(昭和60年)
平安時代後半以降の集落
梶海渡(かじかいと)遺跡は、神林地区の鎖川が奈良井川と合流する手前の左岸にあります。
遺跡の北には、これまでの調査で平安時代の大集落跡が見つかった南栗遺跡・北栗遺跡があります。
昭和60年(1985)、ほ場整備事業にともなう発掘調査が行われました。
調査の結果、掘立柱建物跡1軒、焼土跡2基、溝状遺構、井戸状遺構が見つかり、出土した須恵器・土師器の破片などから、平安時代後半以降のムラがあったと推測されます。
焼土跡から見つかった須恵器破片の割れた部分は火を受けており、容器として使えなくなった土器を廃棄しながら、何回もたき火を繰り返していたものと考えられます。
この焼土跡を避けるように溝状遺構がつくられており、これらの遺構は同時期にあったと考えられます。
このほか、中世の検出面からは墓跡と見られる土坑が見つかり、皇宋元宝などの古銭が見つかりました。
カメラでパチリ!
焼土跡
溝状遺構
出土資料 〔左上〕土師器甕の底、〔左下〕中世墓跡の古銭、〔右〕須恵器破片
発掘調査報告書
『松本市梶海渡遺跡 緊急発掘調査報告書』<外部リンク>
松本市文化財調査報告40
松本市教育委員会 1986年
※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2023年7月13日