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寿前田遺跡 1983年(昭和58年)
寿地区の重要遺跡
松本市南部の寿地区にある寿前田遺跡は、独特の地形景観をなす赤木山丘陵一帯に分布する「赤木山遺跡群」を構成する遺跡のひとつです。
調査当時は隣接する2つの遺跡を合わせて「前田木下遺跡」と呼んでいました。
発掘調査は、昭和58年(1983)にほ場整備事業にともない、約1000平方メートルの範囲で行われました。
その結果、縄文時代から中世までの竪穴住居跡11軒、土坑57基などの遺構と、それにともなう多数の土器・石器が出土しました。
特に縄文時代中期の遺構・遺物の出土が多く、赤木山丘陵の周辺部分にあたるこの場所が生活の場になっていたと考えられます。
また、出土した縄文中期の土器には、文様や形に八ヶ岳山麓や北関東地方の土器の特徴を取り入れたものがみられ、当時の人々の広範な交流の姿を伝えています。
カメラでパチリ!
調査地全景
発掘風景(北から撮影、中央は第9号住居跡と土坑12・13)
発掘風景(第2号住居跡の掘り下げ)
埋甕の出土状況(第8号住居跡)
発掘調査報告書
『松本市前田木下遺跡 緊急発掘調査報告書』<外部リンク>
松本市文化財調査報告30
松本市教育委員会 1984年
※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2023年4月5日