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秋葉原遺跡・秋葉原古墳群 1982年(昭和57年)

更新日:2024年10月11日更新 印刷ページ表示

奈良井川河西部の終末期の古墳

秋葉原遺跡は、松本盆地西部の新村地区、梓川がひらいた広大な扇状地の上にあります。
発掘調査は、ほ場整備事業にともない、昭和57年(1982)に実施されました。

この調査では、古墳時代終末期の古墳5基が南北に並んで発見され、川原石を積んだ長さ約7mの横穴式石室がある第1号・第2号古墳からは、須恵器を中心とした副葬品が数多く出土しました。
これらの古墳は、西側にある安塚古墳群とほぼ同時期で構造も似ており、いずれも奈良井川河西部の開発に携わった集落の長が葬られていると考えられます。
また、秋葉原遺跡の東側から奈良井川までの範囲には古墳が確認されていないことから、古代の開発は秋葉原遺跡のあたりから東へ向けて進められていったとも推測されています。

秋葉原第1号古墳は、新村地区公民館と地元の方々の協力を得て、上高地線の線路沿いに移設復元され、昭和63年(1988)に松本市特別史跡に指定されました。
電車内からもよく見えるので、通勤通学等の際に気づかれた方も多いでしょう。

このほか、江戸時代の遺構として、B地区では土座敷(三和土(たたき)の上に分厚いござを敷いて床にした家)の跡と、90基以上の墓跡が見つかりました。
墓跡については、かつてこの地にあった専称寺のものと考えられています。
専称寺は、宝暦2年(1752)に現在地(新村駅西側)へ移転し、それにともなって墓地も移転しています。

カメラでパチリ!

秋葉原第1号古墳(横内清嵩氏撮影)
移設復元された現在の秋葉原第1号古墳(横内清嵩氏撮影)
この写真は、2023年に開催された長野県立歴史館夏季企画展「主張する古墳 ~新たなシナノの古墳時代像~」の
関連イベント「フォトコンテスト『信州の古墳を撮る』」で優秀賞を獲得しました!
 

遺跡全景
遺跡全景

第1号古墳出土状況
​第1号古墳出土状況

第1号古墳 移設復元作業
​第1号古墳 移設復元作業(奥に上高地線の線路が見えます)

江戸時代の墓跡
​江戸時代の墓跡

 

​発掘調査報告書

『松本市新村秋葉原遺跡 緊急発掘調査報告書』<外部リンク>
松本市文化財調査報告26
松本市教育委員会 1983年

※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。

場所を地図で確認

秋葉原遺跡・古墳群<外部リンク>

※地図を​クリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。

Facebook掲載(初出)

2023年3月1日

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