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神戸遺跡 1980年(昭和55年)
焼失住居と鍛冶跡が見つかった平安のムラ
松本市笹賀地区は奈良井川沿いにあり、塩尻市境から鎖川合流地点までの南北7キロメートルほどの細長い形をしています。
神戸(ごうど)遺跡は地区のほぼ中央、奈良井川左岸の低地にあり、昭和55年(1980)にほ場整備事業にともなう発掘調査が行われました。
発掘調査では、平安時代の竪穴住居跡2軒・鍛冶屋場・墓跡などが確認されました。
竪穴住居跡のひとつは、床面が木材などの炭化物で一面に覆われており、何らかの原因で焼失したものと考えられます。
また、鍛冶屋場からは、鉄滓(てっさい)・羽口(はぐち)などの関連遺物のほか、土師器・須恵器・灰釉(かいゆう)陶器・緑釉(りょくゆう)陶器などの破片が多数見つかりました。
発掘調査時の所見として、これらの破片は、鍛冶にまつわるマツリを行った跡と考えられています。
カメラでパチリ!
発掘風景(A地区)
第1号住居跡。内部は住居が焼失した際の炭化物に覆われていました。
鍛冶屋場の遺物出土状況
発掘調査報告書
『松本市笹賀神戸遺跡 緊急発掘調査報告書』<外部リンク>
松本市文化財調査報告21
松本市教育委員会 1981年
※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2023年1月18日