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葦原遺跡 1980年(昭和55年)
高校生のクラブ活動から始まった発掘調査
葦原遺跡は、波田地区の東部、アルピコ鉄道上高地線森口駅のすぐ北側に広がる遺跡です。
縄文時代の非常に密度の高い遺跡として知られており、長野県の重要埋蔵文化財包蔵地に指定されています。
1964年(昭和39年)から1979年(昭和54年)にかけて、松商学園高等学校の地歴部がクラブ活動で12回にわたる調査を実施して、敷石住居跡ほか多くの遺構・遺物が出土しました。
とりわけ、現在も松商学園高校で大切に所蔵されている縄文中期の土偶は全身の形をよく伝える資料として知られています。
松商学園高校の発掘調査の後、この遺跡内で区画整理と道路新設が実施されることとなり、1980年(昭和55年)2月から3月にかけて、波田町教育委員会による未調査部分の緊急発掘調査が行われました。
その結果、縄文時代中期の住居跡が3軒発見され、第3号住居跡の炉の脇からは、クルミの炭化物が出土しました。
また、当初予想されていなかった中世の墓坑が37個も見つかり、波田地区の中世を知る上で貴重な発見となりました。
カメラでパチリ!
調査風景
第1号住居跡
クルミの炭化物の出土状態(第3号住居跡)
葦原遺跡出土土偶(『波田町誌』(波田町誌編纂委員会 1987)口絵写真から転載)
発掘調査報告書
『長野県東筑摩郡波田町葦原遺跡 緊急発掘調査報告書』<外部リンク>
波田町教育委員会 1980年
※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2022年12月21日