本文
柳田遺跡 1979年(昭和54年)
縄文中期の釣手土器が出土
柳田遺跡は、本郷地区浅間温泉にあり、松本市野球場の西側に広がる遺跡です。
このあたりは元々田畑が多い場所でしたが、昭和の終わり頃から宅地化が進みはじめ、現在遺跡の一帯は住宅地となっています。
1979年(昭和54年)の7月から8月にかけて、県の住宅団地建設に伴う発掘調査が行われました。
報告書には、遺跡の土は乾いていると日干し煉瓦のように堅く、雨で濡れるとぬかるみ、しかも夏の草いきれと燃えるような炎天下での厳しい作業であった、と記されています。
その苦労が報われたのでしょうか、第1号住居跡を掘り進めていたところ、縄文時代中期の釣手土器の逸品が出土しました。
この釣手土器は、松本市立考古博物館の開館以来、ずっと常設展示室の一画に展示されています。
釣手土器は祭祀などで使用されたランプと考えられ、器の縁や内部が煤けたものがよく見られますが、柳田遺跡ではこの釣手土器のほかに、釣手が省略された器だけの珍しい形のものも出土しています。
カメラでパチリ!
遺跡全景 画面中央に野球場のスコアボードと妙義山が見えます。
第2号住居跡の石囲炉跡から出土した縄文土器
釣手土器の出土状態(第1号住居跡)
出土した釣手土器は考古博物館に展示中!
発掘調査報告書
『松本市大村遺跡群柳田遺跡 分布確認調査報告書』<外部リンク>
松本市文化財調査報告17
松本市教育委員会 1979年
※書名をクリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2022年12月14日