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こぶし畑遺跡 1973年(昭和48年)
縄文時代早期と弥生時代の遺跡
こぶし畑遺跡は、松本市今井地区の、奈良井川と鎖川が形成した河岸段丘にある遺跡です。
この地域はかつて大規模な開田事業に伴い地形が大きく変わった場所で、昭和30年代の中信考古学会(地元考古学研究団体)による踏査によって、旧石器時代から平安時代まで各時代の資料採集されたものの、遺跡の分布は不鮮明でした。
こぶし畑遺跡の調査は、ほ場整備事業に伴い昭和48年(1973)12月から昭和49年(1974)1月にかけての厳冬期に調査が行われました。凍りついた土をお湯で溶かしながら作業を行うという厳しい環境の中での発掘でしたが、調査では、縄文時代早期の押型紋土器や集石遺構、弥生時代中期初頭の土器などが発見されました。
集石遺構は鎖川の石を集めてつくられたもので、11基の環状組石が確認され、この地域における縄文人や弥生人の生活の一端を知る成果となりました。
カメラでパチリ!
発掘風景
縄文時代早期の土器
弥生時代の土器の拓本
集石遺構
発掘調査報告書
『長野県松本市今井こぶし畑遺跡 緊急発掘調査概報』<外部リンク>
松本市文化財調査報告6
中信土地改良事務所・松本市教育委員会 1974年
※クリックすると奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」にリンクします。
場所を地図で確認
※地図をクリックすると「松本デジタルまっぷ」の「遺跡地図」にリンクします。
Facebook掲載(初出)
2022年11月9日