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樹幹注入の効果検証結果について
樹幹注入の効果検証結果について
趣旨
令和2年度に松枯れ対策として施工した樹幹注入について、枯損状況等を調査しました。
効果検証の方法
(1) 樹幹注入した施工区域の中で調査区域を抽出し、当該調査区域内の注入木の全数調査を行い、目視による判定で枯死率を算出した上、当該施工区域内の未注入木の枯死率と比較し、効果を検証
(2) 未注入木の選定は、注入木の調査区域内から無作為で抽出
(3) 四賀地区においては、無作為で抽出した注入木の枝から検体を採取し、有効基準値以上の残留薬剤濃度の有無を検査
調査概要
(1) 四賀地区
薬剤販売会社と市が共同で枯損木抽出調査を実施しました。
ア 薬剤販売会社 株式会社ニッソーグリーン
イ 調査概要
(ア) 内容 目視による調査及び薬剤成分濃度検査
(イ) 期間 令和3年11月から令和4年4月まで
ウ 調査データ 株式会社ニッソーグリーンと市で共有
エ 経費 株式会社ニッソーグリーンが負担
(2) 里山辺地区
市職員が枯損木抽出調査を実施しました。
ア 調査概要
(ア) 内容 目視による調査
(イ) 期間 令和4年3月
R2年度 松枯れ対策(樹幹注入)実施位置図 [PDFファイル/835KB]
調査の結果
(1) 枯死率調査
ア 全注入木7,498本のうち815本を調査したところ、25本の枯死が確認され枯死率は3.1%でした。
イ 未注入木では調査本数250本のうち、69本の枯死が確認され枯死率は27.6%でした。
(2) 濃度調査
ア 注入木40本中37本は、有効基準値以上の濃度があることが確認されました。
イ 濃度不足は3本で、割合は7.5%でした。
検証結果
(1) 注入木の枯死率3.1%と未注入木の枯死率27.6%を比較すると、24.5ポイントの差がありました。
しかし、未注入木の選定は無作為抽出であり、注入時に調査対象木として選定していなかったことから、未注入木の枯死率は参考値とします。
(2) 今後、未注入木と樹幹注入した注入木との比較は、現時点の健全な未注入木を選定して行います。
(3) 薬剤濃度調査では概ね有効基準値以上の濃度があることが確認できましたが、濃度不足の原因について、メーカーの見解では注入後1年目はバラツキが大きい傾向があるとのことから、来年度以降も注視します。
今後の調査予定
令和2年度に樹幹注入を施工した箇所については、令和3年度の施工箇所とともに、今年度以降も調査を継続します。(施工後1年目から7年目まで(令和3年度から10年度まで)の毎年11月から12月まで)