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樹幹注入の効果検証結果について
樹幹注入の効果検証結果について
趣旨
令和2年度及び令和3年度に松枯れ対策として施工した樹幹注入の効果を検証するため、枯損状況等を調査しました。
地区ごとの調査の方法
⑴ 四賀地区
樹幹注入の効果検証を行うため、薬剤販売会社の協力により次のとおり調査を実施しました。
ア 樹幹注入を実施した施工区域の中で、100~200本の注入木と30~50本の未注入木を調査
イ 注入木について目視による判定で枯死率を算出した上で、未注入木との比較を行い、効果を検証
ウ 注入木の枝から検体を採取し、残留薬剤の濃度が有効基準値以上となっているか検査
⑵ 里山辺地区
森林環境課職員が上記⑴ア、イの調査を実施し、効果を検証
四賀地区における令和5年度調査の概要及び検証結果
⑴ 調査概要(位置図 別紙1のとおり)
ア 内容 目視による調査及び薬剤成分の濃度調査
イ 期間 令和5年11月から令和6年2月まで
ウ 調査本数(表1)
⑵ 枯死率調査結果(表2 詳細は別紙2のとおり)
⑶ 濃度調査結果(詳細は別紙2のとおり)
注入木27本から検体を採取し、全ての検体で有効基準値(0.7~0.8ppm)以上の濃度があることを確認しました。
⑷ 検証結果
ア 注入木の枯死率は未注入木の枯死率に比べて28.9ポイント低いことから、樹幹注入の効果が現れているものと考えられます。
イ 注入木から採取した検体全ての残留濃度が有効基準値以上であったことから、枝及び幹全体に薬剤が行き渡り、樹幹注入の効果が現れているものと考えられます。
里山辺地区における令和5年度調査の概要及び検証結果
⑴ 調査概要(位置図 別紙1のとおり)
ア 内容 目視による調査
イ 時期 令和6年3月
ウ 調査本数(表3)
⑵ 枯死率調査結果(表4 詳細は別紙2のとおり)
⑶ 検証結果
ア 里山辺地区については、注入木及び未注入木の枯死率の差は4.2ポイントで、大きな差はありませんでした。
イ 原因としては、樹体内の薬剤濃度は同じ枝部でも樹齢や樹勢、生育環境、気象条件等によって大きく変化し、薬剤が樹体全体に行きわたるのに、若齢木や樹勢の旺盛な木は1か月程度、高木や樹勢の弱った木は2~3か月を要するとされており、里山辺地区は80年生以上のアカマツが過半数を占めていることから、効果が発揮しづらかったのではないかと考えられます。