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松本市産野菜・果物の機能性表示取得に係る調査結果等
更新日:2021年12月20日更新
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りんご(サンふじ)及び松本一本ねぎの成分分析調査結果について
本市産野菜・果物の食品表示基準に基づく「機能性成分、栄養成分の見える化」による商品化を目指して実施した成分分析調査を実施しました。その結果についてお知らせです。
機能性成分の分析等調査結果
機能性表示食品となるためには、事業者の責任で機能性関与成分の科学的根拠を示し、消費者庁長官に届け出て、受理される必要があります。本市では、2品目について届出に必要となる含有量調査と科学的根拠となり得る研究論文の調査を行いました。
品目 | 注目すべき成分と効果 | 含有量調査(100グラム当たり) | 科学的根拠となり得る研究論文 |
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りんご(サンふじ) | プロシアニジン(動脈硬化の最大危険因子といわれるLDLコレステロールを低減する。) | 19.1~27.8ミリグラム(Mサイズ) | 国立研究開発法人農業・産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)による研究論文 |
松本一本ねぎ | イソアリイン(インスリンの働きを活発にし血糖値を下げる。) | 288ミリグラム | なし |
栄養成分の分析調査結果
栄養機能食品とは、すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含んでいる食品をいい、包装等に表示する場合は、食品表示基準に規定する事項の表示が必要となります。本市では、2品目について栄養成分の分析調査を行いました。
品目 | 栄養成分と効果 | 含有量調査 | 当該成分の基準(下限値~上限値) |
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りんご(サンふじ) | 栄養成分はあるものの、食品表示基準別表第11に定める20の栄養成分で下限値を超えるものなし | - | - |
松本一本ねぎ | 葉酸(赤血球の形成を助け、胎児の正常な発育に寄与する。) | 1本(120グラム)当たり葉酸80.4マイクログラム | 72~200マイクログラム |
検討結果
2品目について機能性表示食品、栄養機能食品としての可能性を検討した結果です。
品目 | 機能性表示食品としての可能性 | 栄養機能食品としての可能性 | 判断理由 |
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りんご(サンふじ) | △ | × | 農研機構による研究論文で、機能性を発揮するための1日当たりのプロシアニジン摂取量が、糖類の過剰摂取に抵触しないりんご1個程度(100ミリグラム)に修正される見込みであるが、この修正を含めて同研究論文が消費者庁に根拠として認められるかどうかは現時点では不明であることから、その結果を待って判断するもの(栄養機能食品としては基準の範囲内にある栄養成分は含まれていないため不可能と判断) |
松本一本ねぎ | × | ○ | 葉酸は栄養成分の基準を超えたことから栄養機能食品としての表示は可能。ただし、葉酸の多い野菜は他にも多くあり※1、他産地のねぎとの優位性を示すものではないこと等への留意が必要(機能性表示食品としては根拠となる研究論文が見つからず、研究論文の代わりとなる臨床試験等には多額の費用を要するため、機能性表示食品としての表示は困難と判断) |
※1 葉酸の多い野菜(100グラム当たり)
枝豆 260マイクログラム、 グリーンアスパラ 180マイクログラム
ブロッコリー 120マイクログラム 等
今後の進め方
- りんご(サンふじ)は、現状、機能性表示食品の届出に必要な根拠論文が整わないものの、機能性表示食品となる可能性があることから、来年度以降の商品化を目指し、生産団体等と具体化に向けた課題調整に着手します。
- 松本一本ねぎは、葉酸での栄養食品表示ができ、生鮮品での栄養機能食品の展開は全国的にもほとんど例がないことから、健康によい「松本野菜・果物」第1号として今年度の商品化を目指し、生産団体等と調整します。
- 今後、松本一本ねぎに続く栄養機能食品のレパートリー化を検討し、健康によい「松本野菜・果物」のブランド化につなげていきます。