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松本市公設地方卸売市場の今後の在り方について
松本市公設地方卸売市場(以下「市場」という。)は、長野県内全域の生産流通を担う広域拠点市場としての役割を果たしており、開設から約35年が経過する中、施設や設備の老朽化とともに、社会構造の変化や消費者ニーズの多様化等に伴い、求められる役割も変わってきています。そのため、令和5年度に今後の再整備や運営手法等を含めた多角的な視点から今後の在り方を検討しました。その結果及び今後の方針を以下のとおり議会に報告、協議し、了承されました。
松本市場運営協議会等での検討結果
市場機能の必要性
1 青果部及び花き部は、市場を経由し流通する市場経由率(以下「市場経由率」という。)及び市内生産者の出荷率が高いため、本市の農業振興及び食の安定供給の視点から引き続き卸売市場機能を維持していく。
2 水産物部は、仲卸業者及び専門小売業者が衰退し、市場本来の集荷・分荷機能及び価格形成機能が形骸化している面もあるため、物流機能のみ残し、関連事業者(市場機能の充実を図るため、卸として扱わない品目を扱う業者)として扱うことが望ましいが、そのためには要件を十分に確認・精査していく必要がある。
市場の公益性
市場経由率や市内生産者の出荷率等を鑑みると、市にとって重要な公共インフラであるとともに、市民への豊かで安全・安心な食生活の提供、農業者の販路の確保や安定経営に資するため、本市場は公設とし、市が責任を持って取り組んでいく。
施設整備の方向性
1 施設を維持する場合は、民間の投資主体のコンセッション方式(市が土地や建物などの所有権を保有したまま市場の運営権を一定期間、民間企業に売却すること。)や建替えであれば、リース方式の選択肢を基本として検討していくことが望ましい。
2 花き棟については、施設の狭あいやアスベスト等の課題があることから、建替えを検討していくことが望ましい。
協議会等の検討結果を踏まえての市の方針
1 市民への食の安定供給及び市内農業者の出荷先の確保のため、市が一定の関与をして市場機能を維持します。
2 将来の市場に必要な機能を見直し、適正な規模による建替えを基本に、青果部、水産物部及び花き部の部門別に協議し、遅くとも令和9年度末までに施設の再整備に係る結論を出します。
3 再整備までの間は現在の市場を維持していきます。