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市場よくある質問(セリについて)
- Q 「セリ」ってどういうものなの?
- Q どうして「セリ」をやっているの?
- Q では、セリの一番最初の値段は、どうやって決めているの?
- Q セリには、どんなセリがあるの?
- Q セリのときの決まりはあるの?
- Q セリの手やりで大きな位の0(ゼロ)は、どうやってあらわすの?
- Q セリで同じ値段をつける人が出てきたらどうするの?
- Q セリの手やりは、なぜ変わった手の形をしているの?
- Q セリの始まる時間が違うのはなぜなの?
- Q セリはどれくらいのあいだ続くの?
Q 「セリ」ってどういうものなの?
A 回答
市場は、八百屋さんやお魚屋さん・お花屋さんなどのお店が、いつでも欲しい品物を手に入れられるようにするために作られています。「セリ」は、買いに来たお店みんなが平等に品物を手に入れるために考えられた方法です。
セリとは、その品物を買いたい人が集まり、どんどんと高い値段をつけていく競争です。一番品物を欲しい人は、一番多くのお金を払っても良いと考えています。ですので、セリでは、一番高い値段をつけた人だけが品物を買えるようになっています。
このような競争が、セリです。
Q どうして「セリ」をやっているの?
A 回答
最初から値段が決まっている品物は、セリをする必要はありません。誰が買っても、同じ値段で売られます。皆さんが、スーパーで品物を買うときには、すべて決まった値段で売られていますね。市場で「セリ」にかけられる品物は、値段が決まっていない品物です。例えば、畑からとれたばかりのお野菜には、値段はついていません。ですので、値段をつけるために、セリにかけるのです。
Q では、セリの一番最初の値段は、どうやって決めているの?
A 回答
品物を市場に持ってくるのにも、お金がかかります。例えば、バナナなどは海外から船とトラックなどを使って市場まで持ってきますが、乗り物を動かすためのガソリン代や、動かす人に払うお金などが掛かります。
卸は品物の値段が、それらに掛かったお金より安くなってしまわないような値段をつけます。これが、セリの最初の値段です。
Q セリには、どんなセリがあるの?
A 回答
松本の市場で行なわれているセリには、大きく分けて2種類の方法があります。
一つ目の方法である「固定セリ」は、品物すべてではなく、品物の見本(サンプル)を見せながらするセリです。品物を買う人は、ひな壇と呼ばれる台の上に並んで、値段をつけていきます。品物を売る人は、セリ台とよばれる台の上に立って、付けられた値段を見ます。このように、あらかじめ設置された場所で行なうセリなので、固定セリとよばれています。
もう一つのセリの方法が「移動セリ」です。これは、品物を買う人と売る人が両方歩いて動きながら、すべての商品を見て、値段をつける方法です。
二つの方法を両方やっているのは、どちらにも良い点があるからです。固定セリは、短い時間で多くの品物を売り買いできます。一方移動セリは、実際の商品を近くから確かめることができるという利点があります。
Q セリのときの決まりはあるの?
A 回答
セリをする時間は、正確に守られています。松本の市場では、水産が6時40分・青果と花きが7時からセリを行なっています。時間が近づくと、卸の人が売場に声をかけたり、ベルを鳴らしたりしてセリが始まることを知らせます。このようにしているのは、もしセリをする時間が日によって違ったり、始まったことが分からないうちに終わってしまうと、セリに参加できない人が出て不公平になってしまうので、いつもこのようにしています。
またセリでは、指を使った「手やり」という決まりもあります。セリのときに、買いたい人が一斉に値段を声に出して言うと、誰が言っているのか分からなくなってしまいます。「手やり」は、手の形によって1から9までの数を表す方法で、これを使って買いたい品物の値段を示すことによって、だれが今一番高い値段を付けたのか一目で分かるようになっています。
セリに参加する人にも決まりがあります。セリで品物を売りにかける卸業者の人のことを「セリ人」といいます。セリ人は、今の品物の値段を把握しながら、買いたい人がしてくる「手やり」を見比べるなど、特別な能力が必要です。ですので、「セリ人」になるためには、セリ人のテストを受けなければいけないという決まりもあります。
Q セリの手やりで大きな位の0(ゼロ)は、どうやってあらわすの?
A 回答
セリでは、ゼロを示すために手やりをする必要はありません。例えば2000円を示したいときには、「2」を手やりであらわしながら、「千」の位を口で言います。
「101」や「202」などのように真中にあるゼロを手で表したい時には、人差し指で反時計回りに円を書くことで示せます。
Q セリで同じ値段をつける人が出てきたらどうするの?
A 回答
「せり上げ」という方法のセリは、前の人がつけた値段よりも高い値段をつけていきます。卸の人が高い値段をつけて、買う人がどんどんと安い値段をつけて下げていく「セリ下げ」という方法もあります。どちらの方法でも、前の人と同じ値段を出すことはできないので、そのようなことはありません。
Q セリの手やりは、なぜ変わった手の形をしているの?
A 回答
セリでは、短い時間に多くの人が参加し、たくさんの品物が売られていきます。セリを管理するセリ人は、たくさん出てくる手やりを見極めて、一番高い値段が今いくらなのかを判断する必要があります。手やりの手の形が変わっているのは、片手で1から9の数字が全て表せるという理由と、数字の見間違いをしにくいようにするという理由があるからです。それぞれの数字の手やりを見比べてみると、多少似たところはありますが、一目で違いが見分けられるようになっているのがわかると思います。
Q セリの始まる時間が違うのはなぜなの?
A 回答
市場では、野菜や果物・魚・花を買うのに、それぞれ別の資格が必要です。市場にくる買受人のなかには、野菜と魚を両方買うことができる人たちもいます。そのような人が、両方のセリに参加できるように、魚と野菜・花のセリの時間をずらしてあります。
Q セリはどれくらいのあいだ続くの?
A 回答
セリにかかる時間は、その日によって変わってきます。市場がお休みの前には、多めに買う人たちで賑わったり、値段をつける競争が長引いたりすれば、セリ自体の時間も長くなります。
現在の松本の市場では、青果のセリが20分から30分くらい、花きのセリは1時間程度で終わります。
市場に買いにくる人や、品物の数にも限りがあるので、セリが終わらないということはありません。