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トンボを探してみよう!

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

トンボを調べよう

 日本には海外からの飛来種を含め、約200種類のトンボが記録されており、そのうち長野県には約90種類が確認されています。トンボは水辺の環境を評価する指標種として調査されることがありますが、最近、環境の変化により見られる数が減って絶滅危惧種になっているものや、温暖化の影響で南方種が北上して分布を広げているものもいます。経年的にどのような種類のトンボが増えたり減ったりしているのかがわかると、環境の変化を知ることができ、地域の環境整備や生物多様性の保全に役立てられます。まずは、身近にいるトンボを調査してみましょう。(監修 福本匡志氏)

長野県でこれまでに目撃されたことのあるトンボの一覧表です。松本近郊で目撃記録があるものには〇を付けています。

トンボが見られる水辺の環境

 トンボが見られる水辺の環境は田んぼや池沼、湖、湿原、河川、小川・水路などさまざまですが、標高、水域の規模、水深、水質、止水・流水、水域と周辺部の植生などそれぞれの環境条件に適応した種類が生息しており、水辺の環境によっては見られるトンボの種類も変わります。逆にどのようなトンボがいるのかを調べれば、その場所の環境を評価することもできます。
 近頃は公園でトンボ池などのビオトープづくりが行われていますが、その地域に生息するトンボにも配慮し、人が管理しながら自然と調和した水辺環境を作っていくことが大切です。

梓川橋下流の左岸の画像
梓川橋下流の左岸

田んぼで見られるトンボ

 田んぼは食料となるお米作りの場ですが、赤トンボを始め、多様な生きものが生み出される場でもあります。
 代表的な赤トンボのアキアカネは、春に田んぼに水が入ると卵から幼虫(ヤゴ)がふ化し、ミジンコやユスリカの幼虫などを食べながら田んぼの水中で育ちます。7月の上旬頃、深夜から早朝にかけて成長したヤゴは稲の茎を上り、羽化して飛び立ちます。夏場は避暑のため高地で過ごしますが、9月頃、平地に戻り田んぼで産卵、卵は田んぼの土中で冬を越します。人が作り出す田んぼはアキアカネの発生場所として、なくてはならないもので、アキアカネは日本の稲作文化により繁栄した生物の1つといわれています。
 お米作りには、殺虫剤などの農薬が使われることもありますが、近頃は農薬の使用量を削減した「環境保全型農業」が進められており、赤トンボなど水田生物にも配慮が行われています。お米の生産者や消費者の方々に生物多様性に配慮したお米作りに関心をもってもらいたいところです。

トンボを探しに行こう!

 どこでも見ることができるイメージのトンボですが、実は種類によって観察できる場所が異なります。これまでに目撃報告があった場所をご紹介します。探しに行ってみましょう!(過去の目撃例ですので、必ず目的のトンボが見られることを保証するものではありません)

 薄川近くの山辺小学校(入山辺34番地)の周辺で目撃情報があります。7月から8月頃に見に行ってみましょう!

 チョウで有名な藤井谷で7月に目撃されています。

 里山辺保育園とホテル翔峰の間のため池と田んぼ周辺で目撃情報があります。7月頃に見に行ってみましょう!

 桜橋周辺の河川敷で目撃されています。6月頃から10月まで目撃情報があります。

 開成中学校近くを流れる泉川ではギンヤンマ、オニヤンマ、ハグロトンボ、シオカラトンボ、オツネントンボなどいろいろなトンボが目撃されています。

アルプス公園のトンボ

 アルプス公園の山と自然の博物館からの情報提供です。公園にある池では、ギンヤンマ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、コオニヤンマなどがこれまで見られています!

変わったトンボ

チョウトンボ

 チョウトンボをというトンボを知っていますか?

 後翅の幅が広く、翅のつけ根から先端部近くにかけて光沢のある黒藍色で、チョウのようにひらひらと優雅に飛ぶトンボです。松本ではほとんど目撃情報がありませんが、塩倉池とアルプス公園で目撃情報があります。近年、県内では目撃例が増えており、成虫は移動性が強く、温暖化も影響していると考えられています。

チョウトンボのオス
チョウトンボのオス 出典:神戸の自然シリーズデジタル化研究会

ムカシトンボ

 ムカシトンボというトンボを知っていますか?

 トンボの仲間は均翅亜目(イトトンボ科、カワトンボ科など前後の翅が同じような形のグループ)と不均翅亜目(トンボ科、ヤンマ科など前翅よりも後翅の方が幅広いグループ)に大きく分けられますが、ムカシトンボは両亜目の中間的な特徴をもつ原始的なトンボとされ「生きた化石」ともいわれています。

 ムカシトンボは均翅不均翅亜目(ムカシトンボ亜目)に分類されていますが、最近では遺伝子(DNA)による研究結果から不均翅亜目に含める研究者も多くなっています。比較的標高の高い、川の源流域に生息しており、松本では梓川地区や入山辺地区で目撃情報があります。

ムカシトンボ
ムカシトンボ 出典:神戸の自然シリーズデジタル化研究会

トンボ豆知識

ヤゴの期間
 トンボの幼虫がヤゴであることはよく知られていると思いますが、実はヤゴの期間はトンボの種類によって大きく異なります。

  • シオカラトンボ
    3か月から8か月(越冬する場合)
  • ギンヤンマ
    3か月から8か月(越冬する場合)
  • ヤマサナエ
    2年から4年
  • オニヤンマ
    3年から4年
  • ムカシトンボ
    5年から8年

 ヤゴは同じ場所で成長します。成長する間水辺の環境が変わると生きられないため、水辺の環境を守り続けることがヤゴの成長にとってとても大切です。

世界一大きなトンボ 世界一小さなトンボ
 世界一大きなトンボは、オーストラリアに生息するテイオウムカシヤンマと言うトンボで体長16cm。日本に生息するムカシヤンマの約2倍の大きさです。日本で一番大きなトンボはオニヤンマで11cm程度です。
 世界一小さなトンボは、日本にも生息するハッチョウトンボが最小のトンボの1つにあげられ、体長は約2cm程度です。長野県にも生息していますが、産地は限られ、松本市では過去に記録があるものの最近は確認されていません。このページのトップに戻る

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