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猫は室内で飼いましょう
屋外には危険がたくさん。トラブルになる可能性も
飼い猫を外に出してしまうと、多くの危険にさらされることになり、場合によっては命を落としてしまうこともあります。思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるので、飼い猫は室内で飼うようにしましょう。
1 交通事故
走行している車にひかれたり、停車中の車の下に隠れていて急に発進して踏まれるなど、交通事故で死亡や負傷する恐れがあります。
松本市では、年間約500頭の猫が道路上で死亡しています。
2 迷子
家に戻れず迷子になり、行方不明になってしまうことがあります。病気や怪我で動けなくなってしまうかもしれません。
松本市保健所には、飼い猫が迷子になってしまったという相談が、年間約100件寄せられています。「いつも戻ってくるから大丈夫」と外に出したら戻らなくなった事例も多くあります。
室内で飼育をしていても、万が一、逃げ出してしまったときに備えて、日頃から首輪に迷子札を付けたり、マイクロチップを装着するなど、身元表示(所有者明示)をしておきましょう。
3 感染症や不衛生
猫エイズや猫白血病などの完治できない感染症にかかってしまったり、ノミ、ダニ、寄生虫などが付いて不衛生になってしまう可能性があります。
また、トキソプラズマ症やねこひっかき病など、飼い主や家族が、猫から人にうつる病気にかかる可能性があるので注意が必要です。
4 ケンカによる負傷
縄張り争いやメスをめぐる争いに巻き込まれてしまい、怪我をしてしまう恐れがあります。
5 予期せぬ繁殖
猫は繁殖力が非常に強い動物なので、不妊・去勢手術をしましょう。他の猫と交尾をするとほとんどが妊娠するため、不妊・去勢手術をしていないと一度にたくさんの子猫が生まれてしまいます。
室内で飼育していても、不妊・去勢手術により、病気の予防やストレス軽減になり、繁殖のための争いや脱走、望まない妊娠を予防できます。
6 近所からの苦情
近隣住民の敷地への侵入による、糞や放尿、花壇荒らし、ゴミあさり、車への傷付けなど、迷惑行為や財産に被害を与えてしまうことがあります。
追い払われて猫が危害を受けてしまう恐れや、ご近所からの苦情につながります。
猫に快適な室内環境
猫に快適な環境を整えて、飼い主とコミュニケーションをとることで、室内飼育でストレスなく幸せに暮らすことができます。
脱走しないように、窓や扉の戸締りを徹底するとともに、電気コードや観葉植物など、口にすると危険なものは片付けましょう。
1 外を眺める場所
猫は安全なところから外を眺めたり、動くものを見ることが好きです。窓の外を見るという刺激が与えられ、室内飼いの「退屈」を感じにくくなります。
2 上下運動
猫は高いところや立体的な移動を好みます。家具の配置を考えたり、市販のキャットタワーなどで上下運動ができる場所を作りましょう。上下運動ができると、猫は自分でエネルギーを発散できます。
3 ケージ
子猫のうちからケージに入ることを習慣づけるとよいでしょう。ただし、ケージに長時間入れっぱなしにしないようにしましょう。ケージに慣れていると、災害時や入院時にも役に立ちます。
4 くつろげる場所
猫は柔らかな布の上や暖かな場所を好みます。ラグやホットカーペット、こたつ、ソファなど、猫がリラックスできる空間があるといいでしょう。
5 入り組んだ動き回れる空間
猫は隠れ場所が多い、入り組んだ空間を好む習性があります。部屋には色々なものを置いて、その中を動き回ることでエネルギーを発散させましょう。
6 爪とぎ
猫は爪をといで古い爪をはがして新しい爪に再生させる、爪とぎの習性があります。家具や柱などで爪をとがないよう、専用のものを用意しましょう。
7 隠れ場所
猫は本来臆病な動物です。何かに驚いた時に逃げ込めるよう、段ボールやキャリーケースなどのスペースを用意しましょう。隠れられる安心できる場所がないと、猫は神経質になりやすく、飼い主に懐きづらくなったり、恐怖による攻撃を誘発したりすることもあります。
8 トイレ
猫は非常にきれい好きで、トイレにこだわりがあります。トイレ環境のわずかな変化にも敏感なので、トイレの大きさや砂、設置場所などをよく考えて、快適な環境を用意してあげましょう。トイレの数は「猫の頭数+1」が基本です。