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世界遺産登録推進事業
事業目的
松本城
国宝松本城をさまざまな脅威から保護、保存し、次世代へ継承するため、世界遺産登録をめざしています。
この前提となる国内の世界遺産暫定一覧表に記載されることを当面の目的とします。
世界遺産について
1 世界遺産とは
世界遺産は、地球と人類の歴史の中でできあがった、とてもめずらしい遺跡、景観、自然などの、「世界中みんなのたからもの」です。
この「世界のたからもの」をずっと未来まで残していくために、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)という団体が「世界遺産一覧表」に記載して、みんなで守っていこうとしています。
2 世界遺産への登録
世界遺産として登録されるには、昭和47(1972)年にユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(いわゆる世界遺産条約)に基づき、顕著な普遍的価値(OUV:Outstanding Universal Value)を有することが必要です。
3 世界遺産の種類
世界遺産は、有形の不動産が対象で、3種類あります。
- (1) 文化遺産
モニュメント、歴史的な建造物群や遺跡など - (2) 自然遺産
美しい自然風景や珍しい生き物・植物など - (3) 複合遺産
(1)と(2)の両方を合わせもつもの
エジプト ヌビア遺跡
エジプト スフィンクスとピラミッド
ギリシャ パルテノン神殿
ペルー マチュ・ピチュ遺跡
ペルー クスコ市街
スペイン サグラダ・ファミリア
4 日本にある世界遺産
平成5(1993)年12月に日本で初めて、法隆寺と姫路城、屋久島、白神山地が世界遺産になりました。最近では、令和3(2021)年7月に世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」が登録されました。
現在、日本国内の世界遺産登録件数は、25件(文化遺産20件、自然遺産5件)です。
5 登録の基準
「顕著な普遍的価値」があるかどうかが、最も重要となります。それは、世界中の人にとって、とても大事なもので、守るべきものであるということです。以下の基準にひとつ以上適合する必要があります。
- 人間の創造的才能を表す傑作である。
- 建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏での価値観の交流を示すものである。
- 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも稀有な存在)である。
- 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
- あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存在が危ぶまれているもの)。
- 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
- 最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
- 生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
- 陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。
- 学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。
6 登録までの道のり
世界遺産は、ユネスコ加盟国のうち21カ国の代表で構成される、世界遺産委員会が決めています。
世界遺産に登録されるには、まず国内の世界遺産暫定一覧表(リスト)に記載される必要があり、国がその中から年1件、世界遺産委員会へ提出し、登録の可否が決定されます。
事業概要
1 普及啓発事業
松本城の世界遺産登録の実現を目指し、松本市民の宝である松本城の恒久的な保存と市民の文化財保護意識の醸成及び地域産業の活性化を図ることを目的とした「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会(以下「実行委員会」)と連携し、市民を挙げて普及・啓発活動へ取り組んでいます。
(継続事業)
- 松本城検定クイズ、松本城親子探検ツアーの実施
- 35地区普及啓発事業
- 松本城・旧開智学校写生大会、展覧会
- 公式Instagramでの情報発信
- 書籍『松本城のすべて ~世界遺産登録を目指して~』の販売
松本城親子探検ツアー
35地区普及啓発事業
(令和5年度の主な事業)
- 3市(松本市、犬山市、松江市)合同床磨きの実施(8月)
- 令和5年度3市市民交流会 in 松江市(8月)
- 令和5年度「松本城の日」制定記念講演の開催 ⇒「市川 量造・自由民権運動家の業績とその人生」、講師:市川量一氏(市川量造のひ孫)
- 松本城を築城した「石川数正・康長父子」に係る情報発信 ⇒『天守を築いた石川親子』をMGプレスにて連載(10月~12月、7回)
- 「松本城の日」当日(11/10)に実行委員会会員及び地元企業の協力を得て、信濃毎日新聞に全面広告「松本城百科」を掲載
2 調査研究事業
- 松本城を保護・保存し次世代へ継承するため、国内の世界文化遺産暫定一覧表記載及び世界文化遺産登録に向け、「顕著な普遍的な価値の証明」など必要な調査研究を実施します。
- また、関係機関や専門家、現存天守を有する関係自治体等と意見交換しながら取組みます。
- (近年の主な取組み)
- 専門家を交えたワーキンググループの開催
- 現存天守を構成資産とする「近世城郭の天守群」の世界遺産登録を目指し、文化庁へ提出する提案書のブラシュアップの実施
- 資産範囲及び緩衝地帯の検討
- 「近世城郭の天守群」と同種資産との比較研究
- 推進体制の整備 ほか
主な経過
年度 |
内容 |
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平成13年度 |
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平成18年度 |
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平成19年度 |
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平成20年度 |
*カテゴリーIb |
平成23年度 |
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平成25年度 |
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平成27年度 |
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平成28年度 |
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平成29年度 |
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平成30年度 |
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令和元年度 |
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令和2年度 |
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令和3年度 |
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令和4年度 |
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今後の取組み
今後予定される国内暫定一覧表への追加記載に向けて、国宝五城等でのストーリー(案)作成、提案書作成のための国内外の同種資産との比較研究を実施します。さらに、文化庁、長野県及び関係各市との連携を加速させるとともに、「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会と連携し、市民挙げての取組みを広げます。