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2 殿村遺跡調査事業の概要

更新日:2021年12月20日更新 印刷ページ表示

殿村遺跡の保存と総合調査について

殿村遺跡の発掘と保存

殿村遺跡から見つかった中世の造成跡の画像
殿村遺跡から見つかった中世の造成跡

殿村遺跡は、四賀地区の会田にある遺跡です。平成20年に四賀小学校建設計画にともない初めて発掘調査が行われ、室町時代(15世紀~16世紀)を中心とした大規模な造成跡から、石垣や石列、礎石建物跡、瀬戸産や中国産の陶磁器、茶道具など、貴重な遺構・遺物が多数見つかりました。この成果により、学校建設予定地を変更して遺跡は現地保存されることになりました。
松本市教育委員会では、保存の決まった殿村遺跡について、将来的な史跡整備を進めるうえで必要となる遺跡の詳細な内容の把握と、学術的な位置付けを行うことを目的として、平成22年度から29年度まで8年計画で発掘調査を実施してきました。

虚空蔵山麓の総合調査

虚空蔵山と会田宿の景観の画像
虚空蔵山と会田宿の景観

殿村遺跡のある会田地区は、近世に善光寺街道会田宿が置かれるなど、信濃の東西南北を結ぶ交通の要所であり、またその山容の美しさから「会田富士」とも呼ばれる虚空蔵山は、古来人びとにとって信仰の対象となってきました。
松本市では平成22年度から専門家6名による調査指導委員会の指導のもと、毎年地域の皆さんにご協力いただきながら計画的に調査を進めてきました。その結果、殿村遺跡はかつて中世の時代に聖地である虚空蔵山とその山麓一帯に存在した宗教空間を構成する寺院などの宗教施設の跡であることがわかりました。今後は、遺跡を虚空蔵山をとりまく宗教空間や、交通の要衝や地域の境界点を特色づける遺跡と位置づけ、保存活用にとりくむ予定です。

事業の主な内容

調査事業

  1. 殿村遺跡発掘調査(1~9次調査 平成29年度まで)
  2. 虚空蔵山城跡調査(発掘調査・地形測量ほか 令和元年度まで)
  3. 歴史資料調査(古文書・絵図などの資料調査と聞き取り調査)
  4. 景観調査(人びとの暮らしと自然環境との関わり)

普及公開事業

これまでに行った事業

  1. 発掘報告会・講演会の開催(「殿村遺跡とその時代」ほか)
  2. 講演会記録集など冊子の刊行
  3. 発掘調査現地説明会の開催
  4. 速報展の開催(「発掘された松本」ほか)

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