1 新村保育園地域合同避難訓練
(1) 経過
新村地区では、包括連携協定を基に平成28年から松本大学と連携しながら防災訓練を実施してきましたが、平成30年から「地域で園児を守ろう」を合言葉に新村保育園を交えた訓練を開始しました。
(2) 概要
保育園内で既定の訓練を実施。保育園内での訓練に引き続き、新村地区地域づくりセンター経由で、松本大学に避難所の安全確認と園児の避難誘導を大学に要請。併せて、地区関係役員の協力を得ながら、防災士養成講座を履修する大学生が園児と手を繋ぎ、園庭に集合した園児を、指定避難所である松本大学グラウンドまで誘導。(保護者への受け渡しを実施する場合あり)
その後園に戻って、4~5歳児を対象に大学生による防災講座を実施して終了。
大学と地区と保育園が連携・合同で実施する避難訓練(防災訓練)として、全市的に見ても先駆けの取り組みです。
(3) 令和4年度の取り組みにおける参加大学生、担当教授の感想
参加した学生からは「地区のつながりって本当にすごいなと思った。あの人数の園児を誘導するのは確かにある程度の人数が必要だし、大学と保育園が連携できるのは良いことだと思った」、「災害時、自分のことばかり考えてしまいがちだが、自分よりも避難に時間がかかってしまう方にも目を向けて、皆で助かる気持ちでいかなければいけないと感じた」等の感想がありました。
また、松本大学地域防災科学研究所の入江教授は、「地域との連携を深めていくうえでも、今後とも継続的に参加させていただきたい」と協力的なご意見をいただきました。
2 新村地区防災計画・命を守る災害時の避難カード
(1) 経過
東日本大震災を教訓に従来の国、県及び市町村の防災計画レベルでの防災活動から、自助、共助及び公助が連携することで災害対策がうまく動くことが強く認識され、市町村よりも小さな単位である地区ごとの防災計画制度が平成26年に創設されました。
「新村地区防災計画」を作成するきっかけは、あたらしの郷協議会(まちづくり協議会)の安全安心部会長が、令和3年8月12日から15日にかけての大雨で上新西町会の梓川右岸が決壊寸前だったことを知り、「もし、決壊していたら新村地区はどこまで浸水してしまうのだろう」「誰一人災害にあってほしくない」と痛感し、計画策定により「みずから動き、地域で助け、地域を守る」地区防災力の向上につながれば幸いだと考えたからでした。
(2) 概要
「新村地区防災計画」には、新村地区の概要と、地区で過去に起こった災害や今後起こりうる災害リスクを整理し、主な内容を「平常時」と「災害発生時」に大きく分けて、それぞれの「防災組織体制」や「防災活動」を明記しました。また、町会谷単位・隣組単位の助け合いを重視し、「町会ごとの防災マップ」も作成しました。そのほか災害発生時の一人ひとりの取るべき行動を時系列に確認する「マイ・タイムライン」、公共施設や町会で管理している「防災資器材」のリストも掲載しました。
「松本大学防災科学研究所」のアドヴァイスもいただきながら、足掛け2年、17回の委員会開催を経て完成し、令和4年度末に松本市防災会議の承認を受け、市内35地区初の計画策定となりました。
また、これに併せ「命を守る災害時の避難カード」を作成しました。このカードは北新西町会のものを参考にしており、表面に水害の警戒レベル早見表や、災害発生時における町会の一時集合場所や組単位の安否確認場所のほか、指定避難所がすぐ分かるようにまとめられています。
また、裏面には、災害発生後家族がどこに避難したかマジック等で記入し玄関等へ表示することで避難先や避難が完了しているかを確認できるようになっています。
令和5年6月に「新村地区防災計画」及び「命を守る災害時の避難カード」を全戸配布しました。
(3) 今後の取り組み
今後は、「新村地区防災計画」の周知とともに、計画に示されている町会ごとの防災訓練、地区合同訓練等を町会長・防災部長等と連携しながら実施してまいります。
【参考】
新村地区防災計画は松本市地域防災計画に位置付けられています。
新村地区防災計画については、以下のPDFファイルをご参照ください。
<外部リンク>
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