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移住者インタビュー(横嶋さん)

更新日:2024年8月20日更新 印刷ページ表示

横嶋さん(徳島県から移住/4人家族)

夫は教育心理学・発達心理学を教える助教、妻は研究補助者として、ともに信州大学(※1)で勤務する横嶋さんご夫婦。

仕事メインの移住ではあったものの、地域の方との繋がりによって充実した生活を送ることができていると語ってくれました。

(※1 松本市旭(あさひ)地区にある国立大学)

横嶋さん

▲横嶋さんご家族

Q. 松本市に移住するまでの経緯を教えてください。

:僕は静岡で高校までを過ごして、大学が京都で、大学院から徳島で暮らしました。大学院を卒業後、同じ大学の研究センターに就職し、働きながら博士号を取りましたので、徳島での生活が長かったです。

:私は山口県で生まれて、高校時代は広島まで通い、大学は長崎で過ごしました。大学院から徳島に行き、その後4年間オーストラリアに留学して、戻ってきて留学前に在籍していた徳島の大学に就職しました。私もその大学で働きながら博士号を取りました。

:ですので、私と妻との出会いは徳島の大学です。妻の方が年上なのですが、妻は留学をしていたので、職場の同期の間柄でした。その大学で何年か働いた後、2020年の3月に結婚して、翌年長女が産まれ、松本市に移住したのは2022年の8月ですね。

:松本に来てから2人目が産まれました。

​​Q. 移住を考えたきっかけは何ですか?

​夫:考え始めたのは、だいぶ前からです。
当初のポジションは研究補佐という立場でしたので、いつかは自分の研究室を持って、研究・教育に力を入れたいと考えていました。
大学の教員は基本的に、大学が出している公募にエントリーして、採用してもらうという流れになります。
勤めていた大学の研究プロジェクトが切りのよいところまで進んだら、本格的に就職活動を行う予定でいました。
また、その過渡期のタイミングで結婚や子育てをスタートさせたことも、就職活動に力を入れていく大きなきっかけになりました。
実際にアクションを起こし始めたのは、移住する1年前からでした。
いくつかの大学にエントリーをしていましたが、信州大学はそのときの私にとっては第1希望でした。
信州大学の教職支援センターでは、教育や研究だけでなく、小中高の学校教育現場の支援や地域連携の仕事もあるようでしたので、そこにとても魅力を感じていました。
大学への就職はなかなか思った通りにはいかないのですが、そんな中で信州大学は「ここだったらいいな」と思っていた所から声をかけていただいたので、決まったときはとても嬉しかったですね。

 

― 奥様も移住には賛成でしたか?

:公募書類を出しているときから、「どこに決まってもみんなで行こうね」って話していました。

:声をかけてもらったら全国どこへでも行こうか、みたいな、そんな話をしていました。

:周りには、子供がいても別々で離れて過ごしていらっしゃる研究者の方もいるのですが、私達は話し合って一緒に来ました。

​Q. 長野県や松本市についてはどのくらい知っていましたか?​

:私は家族旅行で来たことがあるぐらいで、それこそ上高地(※2)にちょっとくらい。

:僕は長野県出身の大学院の後輩と何人か仲良かったくらいで、来た事はありませんでした。
大学への採用が決まったのが7月末でしたが、着任が9月1日でしたので、急いで住む家を探してバタバタで引っ越してきたので、長野県や松本市に関する事前の情報収集は全然できませんでした。
私たちは松本市という場所を事前に知って移住を決めたのではないので、松本市ってどんな場所かなって結構心配しながら来ました。
住む家もゆっくり選べませんでしたね。現地に来て選ぶ時間はなかったので、オンラインで内覧させてもらって決めました。
とりあえず引越しを済ませ、現地に馴染んでからゆっくりと落ち着いて住むところを探そうか、という気持ちでした。​

(※2 北アルプス南部の長野県側、梓川上流にある景勝地。中部山岳国立公園の一部。)

​​Q. 移住後にギャップを感じたことや、準備しておけばよかったことはありますか?

:今はもういろいろ工夫しているんですけど、1年目の冬は部屋が温まらなくて困ったかな。後になって調べたら、二重サッシの家にすれば良かったかなって(笑)
引越しのときは、引越業者のトラックよりも先に松本に着いて、一晩は荷物が何もない部屋で過ごしました。
娘の布団だけは持ってきたのですが、予想よりも寒くて驚きました。松本に来たのは8月のお盆過ぎだったのですが、夜はだいぶ涼しいですね。

:「もう秋だね」ってびっくりしたね。
徳島はじりじり蒸し暑かったので、冷房をしっかり入れてないと寝られなかったのですが、松本は夏でも涼しい日は窓開けたら快適じゃないですか。それに驚きました。
ですが、日差しは強いですね。日差しが強いので、それに対して何か対策を立てないと、外に出るとすぐ参ってしまいます。
その他には、正直あんまり困ったことは無かったです。何で無いかって言ったら、松本に来てから周りの皆さんが親切に教えてくれて、調べなくても何とかなってしまいました。近所の方も職場の方も、「何か困ってない?」って声をかけてくれました。「この情報は聞いた?」とか。周りの方の気遣いのおかげで、大きなギャップを感じることなく地域に馴染むことができました。

雪道

▲雪道を歩く横嶋さんとお子さん

​​Q. 松本の好きなところはどこですか?

:一番魅力を感じたのは、親切な人が多いこと。住んでいらっしゃる方はあまり自覚がないみたいですけど、本当に親切な人が多いです。
今住んでいるアパートの住人ともとても仲が良くて、この先引っ越すことがあったら、日々の繋がりが減ってしまうのが寂しく感じます。
松本に来てから助けられることがとても多かったので。

:こういう土地で過ごしていたら、自分の子供たちもそうなるかな、そうだといいねって話してます。自然と思いやりの心が育っていくかなって。

:雪が降って雪かきが始まったら、「雪かきのスコップある?」と声をかけてくれたり、さりげなく僕たちの駐車場の前までやってくれていて、とても助かりました。
「次に雪降ったときは僕の方こそお隣さんのところまでやっておこうかな」と思いましたね。
松本に来るまで、アパートのお隣さんと積極的にコミュニケーションを取ることはありませんでした。
松本の人は皆さん距離感が近い気がします。
散歩していて近所のおばあちゃんが娘にお菓子くれたりとか、声をかけて一緒に遊んでくれたりとか。

:本当にいっぱい助けていただきました。
引越してきてから近所の散歩によく行っていたので、散歩コースにある家の人が顔を覚えてくださって、玄関先にうちの娘が遊べるコップとか皿を置いてくれたこともありました。

:具体的に生活に役立つ情報共有でも助けられましたし、隣の人の顔が見えて、隣の人と温かい交流が当たり前にあるっていうのが、すごく安心でしたね。
僕たちは松本のことを全く知らない状態で来たので、その分日常生活がどれだけ安心できるかということをすごく気にしていましたが、お互いを思いやれるような地域性や住民の人柄に助けられました。

散歩

▲家の近所の散歩コース

​​Q. 町会の加入について

:今のアパートでは町会(※3)加入はなかったです。特に大家さんからも町会の話は回ってきませんでした。
将来的に引っ越したときには、町会に入って、地域の人といろいろ活動できたらいいなと思っています。

:最初に住む所を探していたときに、ほとんどのところに「町会費」がかかると書いてあって、「町会費って何だろう」って思っていました。今のアパートには町会費って書いていなかったので、それも決め手の1つでした。

:正直なところ、最初はそうでした。知らない土地の町会に分からないまま入るのは勇気がいるので。
でも今は、町会で必要なことや困っていることがあるならば、僕も力になりたいと思っています。
結局そういうふうに自分たちで自治して整えていかないと、日々の暮らしは快適にはならないじゃないですか。
そう思えるようになったのは、アパートでお世話になった経験があるからです。

(※3 松本市では「町会」と呼ばれる居住地区の区域内の世帯で構成される自治組織があります。町会ごとに特色ある活動が行われており、集会は月1回という町会もあれば、年1回という町会もあります。活動内容や頻度は、所属する町会により異なります。町会の詳細はこちら

​​Q. 松本で子育てしている感想を教えてください。

:松本の教育の体制はとても整っていると感じます。もちろん課題はあると思いますが、比較的にいろいろな教育ニーズに応えることができる環境があると思います。
娘や息子が将来的に何をしたい、どこを目指したいとなっても、この土地だったら叶うなと思って、その点もすごく魅力的ですね。
あとは地域の人との繋がり。例えばですけど、子供の通学などは、地域の人の顔を知りながら挨拶し合える環境の中で通学させることができると安心じゃないですか。
人との繋がりと教育の環境が整っている状況が、子育て世代の僕たちにはドンピシャだなって。
子育て環境を政策として打ち出しているところは、全国的にどの市町村でもあると思いますが、政策や制度だけでなく、子育て世代に対する土地の人たちの暖かい雰囲気はとても魅力度が高いです。

:こういう環境っていいな、なかなか他のところに移動したらないかもしれないなぁ、と思いました。

:具体的なエピソードですが、スーパーで長女がぐずってしまって、でももう1人抱っこしていて袋詰めができないというときに、スーパーの店員さんが駆けつけて袋に入れるのを手伝ってくれるようなことが度々ありました。
ちょっとしたことかもしれませんが、周りに迷惑をかけてはいけないと、こちらからなかなか助けを求められなかったので嬉しかったですね。​

:私が印象に残っているのは、郵便局で外国の方に通訳をしたときのことです。郵便局で外国の方が困っていたので私が通訳を申し出たのですが、すると周りの人たちがさっと娘のことをあやしてくれました。その間に私が通訳することができたので、初対面の集まりでしたが、気遣いの連係プレーが嬉しかったです。
あと私がとてもお世話になったのは「こどもプラザ(※4)」ですね。南郷(なんごう)に行っていたのですが、それも近所の人が教えてくれたんです。保育園に行く前に同世代の子供たちと関わる経験としても、子供にとっても良かったなと思う。

:松本がこれまで住んできた所と違うなと感じるところは、能動的に情報を伝えてくださったり、助けてくださったりするところでしょうか。能動的な関わりは「おせっかい」と捉えられることもあるので、おせっかいと思われないように能動的な関わりに消極的になってしまうこともあります。ですが、そうした能動的な関わりのネットワークがしっかり存在していることが、こんなにも安心感に繋がるのだなと感じました。
他にも、公園がしっかりしていますよね。公園が綺麗なのは本当に助かります。

:昨日、娘と寝る前にパペットで遊んでいたのですが、「どこに行きたいですか?」って聞いたら「公園と、公園と、公園!」って言っていました。

:公園がたくさん整備されていて、子供の遊べる場所が確保されているのはとても嬉しいです。(※5)

(※4 就学前(主に入園前)の幼児とその保護者、妊娠中の方などが利用できる子育て支援センター。筑摩(つかま)、小宮(こみや)、南郷(なんごう)、波田(はた)、芳川(よしかわ)の5カ所が設置されています。詳細はこちら

(※5 松本市には大小さまざまな公園が数多くあります。松本市のホームページで特色のある公園を紹介しています。市内の公園一覧はこちら

アルプス公園 

▲アルプス公園

​​Q. 移住してから増えた支出はありますか?

 ちょうど移住した時期を境目に全国的に物価が高騰し始めたので、正確にはわかりませんが、全体的に徳島よりも長野の物価の方が高いかもしれません。
 ですが、突出してこちらの物価の方が高いという訳ではありませんから、移住したことで出費が増えてしんどいということはないですね。
 今のアパートがプロパンガスで、徳島では都市ガスだったので、ガス代は高くなったかもしれません。将来的に家を建てるならば、オール電化にすることも検討していますが、ガスにはガスの良さがあるので悩むところですね。

​​Q. 松本でお気に入りの場所はありますか?

:今住んでいる場所で言ったら、家の裏にある田んぼのあぜが好きです。

:あと家の近くに陸上競技練習場があって、よく学生とかが練習していますけど、その辺が散歩コースになっていて気持ち良いですね。車も来なくて、ゆったり散歩できるし。
やっぱり健康寿命のことを考えると、いかに家を出てすぐに運動できるか、ランニング・ウォーキングできる環境があるかって、かなり大事ですよね。

:アルプス公園(※6)なんかは、紅葉がとっても綺麗で、紅葉の時期は絶対行きます。

:仕事が忙しくてなかなか遊びに行けていないので、これからもっとお気に入りの場所を作っていきたいですね。
特にアウトドアをしたいと思っています。家族の趣味はアウトドアにしようって話をしています。実はグッズも買い込んでいますが、下の子(息子)がまだ小さいので使えていないのですが…。
山登りなんかも、もうちょっと子供が大きくなったらしたいですね。

(※6 松本市蟻ケ崎にある公園。園内には博物館や小さな動物園、アルプスドリームコースターなどがあります。ホームページはこちら<外部リンク>

田んぼ

▲家の近所の田んぼ

​​Q. これから移住する方にアドバイスはありますか?

​​ 「安心して来たらどうですか?」という一言ですね。
 移住する理由は人それぞれあると思いますが、やっぱり安心して長く暮らしていけるかどうか大事だと思います。
 その点において、人同士の繋がりや暖かさというところに関してはピカイチなので、どうぞ安心していらしてください。我々はそれで救われました。

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