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移住者インタビュー(稲見さん)

更新日:2024年5月30日更新 印刷ページ表示

稲見さん(大阪府から移住/2人家族)

登山好きが高じて松本市に移住してきた稲見さん。

奥様も1年の時間差を経て移住し、現在はお2人で暮らしています。

登山のことや、移住を決断された後の奥様とのやり取りなど、幅広くお話をお聞きしました。

稲見さん

▲槍ヶ岳の山頂でポーズを決める稲見さん

Q. 松本に移住するまでの経緯を教えてください。

 出身は大阪で、高校まで暮らしました。

 大学進学で神奈川に行きましたが、卒業後は自分が生まれ育った町に関わるような仕事がしたいと思って大阪に戻り、就職して11年ぐらい暮らしました。

 妻とはその時の職場で出会って、いま結婚して10年程経ちます。

Q. 移住を考えたきっかけは何ですか?

 山が好きというか登山が趣味なので、松本に住みたいと思って。

 登山をしようと思ったらどこでもできるんですけど、松本に住むことによって、登山がライフスタイルになるというか、山登りとか山っていう、その文化の中に自分の身を置くみたいなイメージがある。

 ただ、大阪に対する関心が薄れたわけでは実はなくて、就職した当時の大阪に対する関心が10だったら今も10のままなんですけど、それと同じように、松本で暮らすことにも関心が出てきて、それが大きくなってきたということですね。

ー 山がきっかけであれば長野県内だけで見ても選択肢は多くある中で、なぜ松本市?

 今まで自分が登山をするために何回も来ていたっていうのが大きいんですけど、その経験があったので直感的に候補に挙がってきたということだと思います。

 登山を始めたのは社会人になってからで、中高時代の同級生に誘われたのがきっかけなんですけど、最初は奈良とか和歌山の山に行っていて、同じ年の夏にまとまった休みが取れたので、北アルプスの縦走(※1)に来ました。楽しかったし、「こんな景色があるのか」って感動したっていうのはかなり大きかったですね。

 あと、登山者の方々にとって憧れの場所だっていうのもあります。

 例えば槍ヶ岳がありますけど、そこはもう登山を始めた人なら誰でも登ってみたいところで、登るためにトレーニングを積んだり準備したり1年、2年、3年かけるような人もいっぱいいるので。そういう登山者の皆さんが憧れて目標地点としてやってくるような街だからこそ行きたいと思ったっていうのはあります。

 だから言ってしまえば、そのブランド力みたいなところに惹かれた。

(※1 登山の方法のひとつであり、一般的には山頂に立ったあと下山せずそのまま次の山へ向かうことを指します。ルートによっては山頂を重視せず稜線を歩いて行くことも縦走と呼びます。)​

乗鞍高原一の瀬大カエデ​​

▲乗鞍高原一の瀬大カエデ

Q. 移住の下見はしましたか?

 登山で何回も来てはいましたが、本格的に考え始めてからも2、3回は来ました。考えるために来たっていう感じ。

 自分の家とか大阪のどこかで考えるんじゃなくて、松本に来て身を置いてから、カフェでも何でもいいと思うんですけど、考えた。

 例えばアルプス公園(※2)でぼーっとしたりとかそういうことですね。散歩してみたりとか。

 実際に住んでみた先をイメージするのって難しいとは思うんですけど、それでも離れたところで考えるよりは、実際住むところで考えた方がいいと思ったので、その考えのもとに松本市に来て、実際に何かをしたわけじゃないんですけど、本当に散歩するとかそれぐらいの話。

 移住してからの日常生活でどこで買い物したりとか、どこで夜ご飯食べてとかそんなことまでは考えてなかったんですけど、「自分はここで住むことになるのか」を考えて、特に違和感がなかったっていう感じ。

 あと、単純にそれにかこつけて山登りしに来ていた。十分考えたなと思ったら山に行ったりしていました。

(※2 松本市蟻ケ崎にある公園。園内には博物館や小さな動物園、アルプスドリームコースターなどがあります。ホームページはこちら<外部リンク>

Q. 移住については誰に相談しましたか?

 妻、両親、兄はもちろん、前の職場の人とか仲がいい上司とかにも相談しましたね。あと学生時代の友人にも相談しました。

 みんな基本的には肯定的に捉えてもらってましたね。僕が山が好きっていうのはみんな知っていましたし、行き先が松本ということについても納得感あるような感じ。惜しまれることはあっても「やめとけよ」っていう人は1人もいなかったですよ。

 みんな松本のことは観光地として知ってる。上高地とかもありますし、そういう意味であの山の町だっていうイメージを持ってる人も結構いるんで、話をした時にさほど驚かずにいてもらえたっていうのはあるかも。

― 特に、奥様の反応はどうでしたか?

 行って成功するか失敗するか分からないじゃないですか。「行ったものの、合わなくてうまくいかないこともあると思うから、自分(妻)は大阪に1年残って仕事をしていれば、戻ってきても暮らしは何とかなる。2人一緒に行っちゃって、2人とも合わないっていうとリスクが高いから時間差で。」っていうような話をしてもらいました。

 僕がお願いしたわけじゃなくて、向こうにそれを言ってもらえたので、ありがたかった。

 妻は山に登らないし、松本に興味があった訳でもないので、妻自身が行くかどうかっていうのを1年かけて考えるっていう意味合いもあった。

― 奥様と離れて暮らす間は、どんな過ごし方をしていましたか?

 妻を何回か松本に連れてきて、槍ヶ岳に一緒に行ったりしました。

 僕が人生を決めたって言ったら大げさですけど、移住を考える一つのきっかけになった景色を見てもらった方がいいんじゃないかと考えて。途中で天候が悪くなって諦めて結局見られなかったんですけど…

 その結果、妻が言ってくれたのが、僕が楽しそうにいきいき暮らしているのが一番嬉しいから、自分(妻)も行くっていうことでした。​

槍ヶ岳への登山道(一ノ俣)

▲槍ヶ岳への登山道(一ノ俣)

Q. 物件探しはどのようにしましたか?

 大手の不動産屋さんに行きました。

 今は賃貸の戸建てに引っ越しましたが、その前はマンションでした。

 都会暮らしが長かったので、駅から遠いのが怖かったんですよ。松本駅から徒歩15分以内で探しました。

 あとマンション以外に住んだことがほとんどなくて、しかも大阪ではオートロックがあるマンションに住んでいたので、同じようなところを探していたんですけど、そんな物件あまりないんですよね。オートロックは諦めたんですけど、マンションで駅から15分以内で、2階以上とかで探しました。

 不動産屋さんに行く日程が限られているので、事前に連絡取って条件をお伝えして、探しておいてもらいました。

 最初はリモートで担当者の人とお話をして、見る物件をあらかじめ絞っておいて当日見に行き、その日にもう決めました。

 1月頃探し始めて、2月ぐらいには決めていたと思いますね。それで松本に転入したのは3月末です。

― 物件探しで苦労したことはありましたか?

 物件の選択肢が大阪に比べて圧倒的に少なくて。いろんな条件を付けて探すからなんですけど。ある程度こだわりがあったんで、選択肢が少なくて苦労しました。

 あと、地方都市の割には家賃が高いんですね、松本って。

 そういう意味でも条件からして選べるところが少なかったんですけど、そこは事前にリモートでいろいろ紹介してもらって条件を絞ってたんで効率的に内見することができて良かったです。当日ぶっつけ本番で来ていたら、1回じゃ決まらなかったかもしれない。

 やっぱり事前に相談したからそれは良かったなって思います。

― 中心市街地にお住まいとのことですが、山へのアクセスはどうですか?

 松本に来たからといって松本の山だけに登るんじゃなくて、他のところにもいっぱい行くので。

 松本インターや松本駅、バスターミナルに近くて、他の地域に行くにも便利なところが良かったんです。

 テレビとかでよく見る移住っていうと、山の中に住んでいるって感じですけど、そういうわけではないですね。

鷲羽岳から双六岳方面(長野県大町市と富山県富山市にまたがる)

▲鷲羽岳から双六岳方面(長野県大町市と富山県富山市にまたがる)

​​Q. 事前に調べておいて良かったことはありますか?

 移住者の方のブログとかは、本腰入れてリサーチしたっていうわけじゃなくて、なんとなくぼーっと見てました。

 大阪では車を持っていなかったので、買わないといけないなと思っていて、四駆がいいとか基本的な話なんですけど、そういうところは役に立ったかな。その辺はやっぱり現地の人に聞かないと分からないことなので。

 

 ちなみに、車が届くまでは買い物が不便だったので、カーシェアを使っていました。大阪でも使っていて、その会員登録のまま使えたので。

 ただ、わざわざステーションまで車を借りに行って、重いものを買って1回自分の家に置いて、車返してみたいなことがあるんで、それは面倒くさかったです。

 僕が移住を考え始めた頃に、ちょうど松本でいくつか新しいカーシェアのステーションができ始めたのかな。

 下見のときとかも、レンタカーじゃなくてカーシェアを使いました。会員カードを持っていたので、ネットで申し込んで、30分とか短い時間でも気軽に借りられる。

 当時松本ではまだ馴染みが無かったのか予約が結構空いてたので、そこは良かったです。

​Q. 移住後にギャップを感じたことや、不満足ポイントはありますか?

 覚悟はしていましたが冬が寒い。もうちょっと冬に下見に来ても良かったかなと。

 あと、渋滞するっていうのは移住前は意識していなかったんですけど、ここまでイライラするものなのかって。車に乗っていないと分からないですし、生活してみないと分からないと思うんですよ。観光に来ただけでは、「たまたま混んでいるだけかもしれない」って。慢性的に混んでいるとは思わなくて、そこはギャップでした。

 特に渋滞がひどいのは国道19号線(※3)ですね、鎌田から高宮(※4)とか。歩いた方が早い時もある。(※5)

 通勤時間も大阪にいる時と比べて増えました。

(※3 愛知県名古屋市熱田区から岐阜県東濃地方、長野県木曽地方、塩尻市、松本市を経由し、長野市に至る一般国道。)

(※4 【かまだ】【たかみや】松本駅から見て南側に位置する国道19号線をまたぐようにかかる地区。鎌田から高宮までは直線距離で約1km。)

(※5 松本市の渋滞調査結果についての詳細はこちら

​​Q. 地域の方との関わりはありますか?

 マンションに住んでいた時は特にありませんでしたが、戸建てに引っ越してからは、たまたま大家さんが町会長だったので、「町会(※6)に入ってほしい」って借りる前にちゃんと説明していただいたので加入しました。

 ゴミ当番もあるし、回覧板で一斉清掃とかのお知らせがあれば参加しています。でもそんなに頻度は高くないですね、半年に1回ぐらい。

 町会の活動については、ある程度想像はしていたんですけど、場合によっては1時間とか短い時間仕事を休まないといけないこともあって、夫婦で相談してやらないといけないなと。

 今まであまり経験してこなかったので慣れない部分はありますが、そこで暮らしていくには必要なことでもあると思っています。

(※6 松本市では「町会」と呼ばれる居住地区の区域内の世帯で構成される自治組織があります。町会ごとに特色ある活動が行われており、集会は月1回という町会もあれば、年1回という町会もあります。活動内容や頻度は、所属する町会により異なります。町会活動の詳細はこちら)​

Q. 松本の好きなところ、お気に入りの場所はありますか?

 市役所に「アルプスリゾート整備本部」っていう部署があったり、山に関する講座が開かれたり、街中に登山リュックを背負っている人がいっぱいいるっていうことも、山登りが当たり前の街だという意味で、文化が根付いているところがいいなと思う。

 あと水とか野菜が美味しいなと思って、きのことか安いし。

 スーパーで買い物するときも、長野県産があれば地場産品を買うようにしている。その方が美味しい気がする。

 スーパーの数が意外と多くてびっくりしました。大阪より多い気がします。

 

 お気に入りの場所は、通勤で使う国道158号線(※7)です。道中で山並みが綺麗に見えるんです。虹が時期によっては毎週のように見られますし。景色がきれい。

 あと松本駅は好きですね。雰囲気が好き。いろんな人が来るじゃないですか。登山シーズン中とか、みんな楽しそうにしている。松本に来た人が楽しそうにしているのを見ると嬉しいです。

(※7 福井県福井市から岐阜県高山市を経由して、長野県松本市に至る一般国道。)

158

▲国道158号線(至上高地、松本市役所安曇支所近く)

Q. これから移住する方にアドバイスはありますか?

 下見に来るときは、ある程度住む場所をイメージして来てもらうのがいいかも。

 駅の近くに住むのか、車中心になってもいいから郊外に住むのか。

 駅の近くだったら、それこそ散歩してみてもいいでしょうし、郊外だったら市の西側か東側かとか、それぐらいは決めてきてもらって、車で見たり、降りて歩いたり。

 ある程度、住もうと思うエリアを見てもらうのがいいですかね。​

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