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離乳食(初期)について
はじめに~お父さん、お母さんへのメッセージ~
お子さんが生まれて数か月、あっという間に過ぎてしまいましたね。
きっと夜も昼も関係なく、お子さん中心の生活・育児で、本当に大変だったと思います。
育児のペースがつかめてきた方も、そうでない方も、これからそこに「離乳食」を始めるとなると、不安を感じられるかもしれません。食べさせなきゃ、食べなかったらどうしよう…という思いもあると思いますが、まずは「おいしいよ。食べてみてね。」と思ってあげられると良いですね。
お父さん、お母さんたちも無理せず、まずは気楽に始めましょう。
このページは、各保健センターで実施している、『離乳食初期教室』での内容の一部をお伝えしています。お子さんの離乳食の進め方には個人差がありますので、分からないこと・不安なことは、「こんなこと聞いてもいいのかな?」と深く考えすぎずに、ぜひ、来所や電話で保健センターにお気軽にご相談くださいね。保健師、管理栄養士、歯科衛生士が、個別に、解決策を一緒に考えます!
生活について
生活リズムを整えることで、日中機嫌がいい時間が増えます。離乳食を始める時にも、この生活リズムがとても大切です。夜間に熟睡できると、良い成長ホルモンが分泌されると言われています。
20時頃には室内の電気やテレビを消して、眠る環境を整えて、布団に入れるといいですね。また、7時頃には起きて、太陽の光を感じられると、人間の体内時計がリセットされます。
「生活リズムがずれてきちゃったな~」という方は、朝、5分でも10分でも早く、お子さんを起こしてあげられるといいですね。生活リズムが元に戻るには1~2週間くらいかかることもあります。
離乳食について~基本編~
離乳食とは
離乳食は、赤ちゃんが「食べる練習」をするための食事です。
離乳食の進み方は赤ちゃん1人1人違います。
お子さんのペースに合わせて焦らずすすめ、食べる楽しみや経験を重ねていきましょう。
スタートの目安
生後5~6か月頃といわれていますが月齢だけでなくお子さんの発達もあわせてみてみましょう。
お子さんの体調・ご機嫌の良い日に始めることもポイントです。
- 始めは1日1回から
- 午前中の授乳の1回を離乳食にあてる
- 離乳食を与えた後は母乳またはミルクをお子さんが欲しがるだけ飲ませる
離乳食を始めて1ヶ月くらいたったら2回食へと進めていきます。
どんなものをあげたらいいの?
最初は10倍がゆを裏ごししたものからスタートします
次は野菜、慣れたら豆腐・・・というように少しずつ進めていきます
いきなりいろいろ食べさせるのではなく、少しずつならしていくことがポイントです
離乳食を始めて7~10日ほどを目安に裏ごしをやめ少し粒を残したおかゆにしていきましょう
どうやってあげたらいいの?
最初にあげる量の目安は1種類を離乳食用のスプーンで1さじずつです。
これを何口かに分けて与えます。
その後1さじずつ量を増やしていきますが、新しい食品をあげるときは1日に1種類までにします。
どれぐらいあげたらいいの?
初期のころは量よりも食べることに慣れることが大切です。
また食べられる量はひとりひとり違います。お子さんの成長にあわせて少しずつ量と種類をふやしていきましょう。
「量が何gか」にこだわりすぎず、成長曲線に当てはめたときにカーブに沿って大きくなっているかを確認しながら進めていきましょう。
1歳まで与えないもの
はちみつ・黒砂糖・井戸水
乳児ボツリヌス症の原因になります。通常の加熱では死滅しないので調理では使わないこと、加工食品は原材料を確認するなどして誤って与えないようにしましょう。
牛乳
乳児の未熟な腎臓には負担になりますので、1歳を過ぎるまで飲用は避けるようにしましょう。
離乳食の材料としては少量なので利用できます。
間食(おやつ)
1歳までは間食は必要ありません。
3回の離乳食をしっかり与え、母乳または育児用ミルクを与えましょう。
離乳食について~実践編~
食品衛生について
乳幼児は細菌に対する抵抗力が弱いです。
また離乳食は「味がうすく水分が多い」「調理工程が多い」など細菌に汚染されやすく傷みやすいので食品衛生には注意をしましょう。
- 調理の前に手洗いをしっかり行うこと
- 調理器具や食器、ふきんをしっかり消毒すること
- 食品は必ず加熱すること
- 食べ残し、作ってから時間がたったものは与えないこと
(フリージングしたものは除く。ただし冷凍保存したものも1週間以内に使う)
離乳食づくりにあると便利なもの
まな板、包丁、フライパン、小鍋などの他に離乳食用の調理器具があると便利です。
離乳食用に専用のものを用意すると作りやすいです。
使う際はしっかり洗ってから使います。
離乳食のつくりかた
最初にあげるものは10倍がゆです。
(一般的なおかゆは後期の頃の5倍がゆにあたります。)
炊いたおかゆを裏ごししてポタージュ状にして与えます。
食べなれたらお米の粒の残る「10倍がゆ→7倍がゆ→5倍がゆ→軟飯」とすすめていきましょう。
慣れてきたらいもや野菜も与えてみましょう。
裏ごししただけでは固くて飲み込みにくいものは野菜のゆで汁や白湯を使ってなめらかに伸ばします。
裏ごししにくいもの、すりつぶしにくいものはすりおろして使うと滑らかに仕上がります。
高野豆腐・・・すりおろして野菜などと一緒に煮る
ほうれん草・・・ゆでて冷凍したものをすりおろす。※かならず再加熱してつかう。
作った離乳食は冷凍して保存することもできます。
- 冷凍したものは1週間以内に使い切る
- 解凍後かならず再加熱をして与える
味付けはしてもいいの?
離乳食の初期では味付けはしません。
油脂や調味料は使わず、素材そのものの味を大切にしていきましょう。
離乳食初期のころのたべさせ方
離乳食を無理なく始めましょう!
赤ちゃんは母乳やミルクを飲むための哺乳反射を身につけて生まれてきます。哺乳反射が強く残っていると、赤ちゃんは自分の意思で食べることができないので、母乳を飲むときの口の動きで食べ物を口から押し出します。
そのため、離乳食の開始は月齢だけでなく「スプーンなどを口に入れても押し出すことが少なくなる」こともポイントになります。
食べさせ方のポイント
唇で食べ物を取り込み 舌で前から奥に送り
口を閉じ 息を止め ごっくんする
- 下唇にスプーンを当て、合図する
- スプーンの先を舌の先に当て、下方向へ押し込むようにいれる
- 上唇と下唇に触れながら、スプーンを素早く引き抜く
- 口の中の食べ物がなくなったら、次の物をあげる
スプーンを口の中に入れっぱなしにしない
スプーンを口の奥にいれすぎない(舌の先に触る)
気を付けること
スプーンを上唇にすり上げたり、舌の上にスプーンが全部乗るほど奥へ入れないようにしましょう。
口のお手入れについて
離乳食を始めたら、1日1回は口の手入れをしましょう!
口のまわり・口の中は体のなかでも一番敏感なところです
(特に上唇のあたり)
そこで、歯ブラシを使った歯みがきに向けてまず始めはきれいな指で触ったり、濡らしたガーゼで拭くことから少しずつ慣らしていきましょう。
唾液が口の中や体を守っています
唾液には下記のように健康にかかわる大切な働きがあります。
- 食べ物の消化を助ける
- 口の中をきれいにする
- 細菌の繁殖を抑える
室内でもできる親子あそび
☆☆☆youtube動画<外部リンク>☆☆☆
- はらばいあそび
- ありさんこっつんこ
- 一本橋こちょこちょ