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松本市食肉衛生検査所
食肉衛生検査所の概要
沿革
令和3年4月1日、松本市が中核市へ移行したことに伴い、新たに松本市食肉衛生検査所が設置され、以前長野県松本食肉衛生検査所が所管していた市内のと畜場において、と畜検査業務を始めました。
所在地
〒390-0851 松本市大字島内9839番地
職員構成 (令和4年10月1日現在)
と畜検査員(獣医師):14名(自治法派遣獣医師2名、会計年度任用職員獣医師4名を含む)
と畜検査補助員(獣医師):会計年度任用職員獣医師7名
事務職員:2名(会計年度任用職員1名を含む)
所管と畜場
(株)長野県食肉公社
所在地:〒390-0851松本市大字島内9842番地
業務内容
と畜検査
牛、豚をはじめとして、馬、めん羊、山羊といった家畜を食用にするには、と畜場においてとさつ(注1)・解体処理することが「と畜場法」で定められています。
と畜場では、安全で良質な食肉を提供するため、獣医師であると畜検査員が、病気がないか・異常がないか・食用に適しているかを家畜1頭ごとに検査します。そのための検査を「と畜検査」といいます。
検査に合格となったものは合格の検印が押され、食肉としてと畜場から出荷されます。
全身性の疾病が確認された場合は、食用不適として、枝肉・皮・内臓などを含めて1頭すべてが廃棄されます。また、部分的な病変の場合は、病変部のみ廃棄され、残りの部分が合格となります。
注1 食用にする目的で家畜を殺すこと
生体検査
と畜場に搬入された家畜を、生きた状態で外観や歩き方などに異常がないか検査します。
解体前検査
とさつ・放血後に行う検査です。主に血液の状態やと体(注2)に疾病がないか、肉眼的に確認します。
注2 とさつした家畜
解体後検査
と体は頭、内臓、枝肉(注3)に分けられます。この工程を解体といいます。
解体で分けられた頭、内臓、枝肉の各部位に関して、疾病などの異常がないか、視診・触診などを行います。
頭部検査
頭部の筋肉、リンパ節、舌などを検査します。
内臓検査
肺、心臓、肝臓、脾臓、胃腸などの臓器やリンパ節について、異常がないか細かく検査します。
枝肉検査
筋肉、骨、関節、脂肪、リンパ節、腎臓などを検査します。
注3 皮をむいて、頭・内臓・足先を取り去った骨付きの肉
精密検査
と畜検査において、肉眼所見のみでは診断が難しい場合は、微生物学的・理化学的・病理学的に精密検査を行い、総合的に判断します。
細菌検査
敗血症、膿毒症、豚丹毒などの感染性疾患が疑われる場合には、細菌の培養・病原菌の特定を行います。
理化学検査
黄疸や尿毒症などが疑われる場合には、血液検査などを行います。
また、家畜の病気の治療等に使用された抗菌性物質の残留が疑われる場合、と畜検査と並行して残留抗菌性物質の検査を行います。
病理検査
腫瘍などが疑われる場合には、病変部を切り取り、細胞や組織の構造に異常がないか顕微鏡を用いて検査します。
TSE検査
24か月齢以上の牛、全ての月齢のめん羊または山羊について、生体検査において運動障害、知覚障害、反射異常または意識障害などの神経症状が疑われ、検査員が必要と判断した場合は、伝達性海綿状脳症(TSE)検査を行っています。
また、全ての牛、めん羊、山羊について特定危険部位(注4)の除去および焼却を確認しています。
注4 特定危険部位とは
- 牛 : 扁桃、回腸遠位部、(30か月齢超の牛に限る:頭部(舌・頬肉は食用可)、脊髄、脊柱)
- めん羊・山羊 : 脾臓、回腸、(12か月齢超のめん羊・山羊に限る:頭部(舌・頬肉は食用可)、扁桃、脊髄)
衛生管理・指導
と畜場では「と畜場法」、「食品衛生法」に基づき、HACCP(ハサップ)(注5)に沿った衛生管理の計画や衛生的に枝肉等を処理するための手順書を作成し、運用しています。
と畜検査員は、その手順書に基づき適切に施設の衛生管理や衛生的なと畜・解体処理が行われていることを、記録や作業状況を確認しながら検証します。また、牛や豚の枝肉について細菌検査を実施し、衛生管理の結果を客観的に評価します。
注5 食品の製造工程の中で、食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握し、それらの危害要因を除去又は低減するための工程を設定することにより、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法のこと
調査研究
効果的なと畜場の衛生指導やと畜検査技術の向上に役立てるために、日常業務の中での課題をテーマにした調査研究、収集した情報の解析などを行っています。その成果は業務で活用するとともに、公衆衛生に関する研修会などで発表します。
事業概要
令和4年度事業概要(令和3年度実績) [PDFファイル/1.4MB]