男神立像
ページ番号:555-238-163
更新日:2018年10月1日
(読み方)だんしん りゅうぞう
男神立像(右)
- 指定等区分 松本市重要文化財
- 指定年月日 昭和37年8月31日
- 種別 彫刻
- 所在地 松本市内田2573
- 所有者 牛伏寺
- 時代区分 平安時代
八百萬 の神の何神様か
男神立像(左)
この男神立像は、女神坐像2躯(松本市重要文化財)とともに、もと鉢伏権現(はちぶせごんげん)の御神体であったかと伝えられます。
平安時代末期の作と考えられ、像高62cm、檜(ひのき)材の一木造で胡粉彩色。頭部の摩滅がひどく、また両手首両足先が欠けています。頭上に髻(もとどり)を作り袍衣(ほうい)に領巾(ひれ)をまとい、両手はまげて何かを持つ形をし、両足をそろえて立っています。男神立像は普通は笏(しゃく)を持つか、両手を袖の中で合わせて組むものが多いのですが、当像は像容が異なっています。いずれにしても神像としての神威を表現しようと造像されたものと思われます。
八百萬の神を祭る古代の神道には、神像がありませんでしたが、神仏習合の歴史の流れの中、神像が作られるようになってきました。その像容は男女の端坐する姿に現われ、肖像的にその表情に重点を置いて、犯しがたい神威を表現するように造像されました。また、像高は初期のころは等身大に造られましたが、後世になるにつれ小ぶりな像が多くなりました。
なお、牛伏寺の男神立像・女神坐像はいずれも御神体を伝えていますが、男女一対の神とするものではありません。
