正岡子規(まさおか・しき)  生没年 1867〜1902年

【作家紹介】
〜池上コレクションについて〜
池上喜作によって蒐集されたコレクション。主として正岡子規及びその門人に関係した文芸資料が集められていますが、文人らしい絵画・工芸蒐集作品の中にもみるべきものが多く含まれています。
池上喜作(明治23年(1890年)〜昭和53年(1978年))は、長野県松本市の、当時としては有数の富裕な商家に生まれました。国の重要美術品である『兎玉集』、また法隆寺の百万塔・陀羅尼経等の優れた文化財を蒐集伝世するような家庭環境のもとで、物を見る目、芸術を尊ぶ心が養われていきました。旧制中学校時代、正岡子規の俳句革新運動を知り 心ひかれるようになります。松本が、俳句革新の県内拠点となっていた時期でもありました。家業にいそしむ傍ら歌作・句作を続けますが、子規の「大津絵」を入手したことをきっかけに、以後のコレクション蒐集が始まります。生涯を通じ、よき相談相手でもあった歌人胡桃沢勘内をはじめ、平福百穂、伊藤左千夫、荻原井泉水など、文人著名人との交流は、コレクションの幅を広げ、より奥深いものとしていきました。現在コレクションは、松本市に寄贈されています。 
(R)  

【作品紹介】
作品名 
「藤娘」図 
制作年
明治35年(1902年)頃 
形 状
紙本 著色 軸装 
サイズ
42.0cm×29.0cm 
 

 

子規の門下の俳人・坂本四方太から贈られた大津絵の、稚拙な画法ゆえに写生の妙味を存するというおもしろさを説きながら、その模写(藤娘)をし、一句をかきいれています。また、『~斎略画式』『幼童稽古画帖』からも模写をしていますが、「春惜しむ一日画をかき詩を作る」という句からは、病床での子規の心境が伝わってくるようです。絵の色合いが、ゆかしくとても美しい。大正2年(1913年)、池上喜作はこの絵を入手します。その後のコレクション蒐集のきっかけとなった作品です。 








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